教室紹介

低経済成長下における少子高齢化の進行は我が国の社会保障制度に変革を求めています。実質的に現役世代から高齢者への所得移転に依拠している我が国の社会保障制度が現状のままで持続可能であると考える人は少ないでしょう。また、労働力不足により、我が国においても外国人雇用が本格的に進みつつあります。こうした社会環境の変化の中で、活力ある高齢社会を実現するための総合的な取り組みが求められています。
公衆衛生学はこれらの課題にこたえるために、健康の視点から社会のあり方を総合的に考えようという学問領域です。我が国では、公衆衛生学が医療関連学部における卒前教育の中で主に行われていますが、国際的には医学や看護学だけでなく、社会学や法学、経済学、心理学などの社会科学系の学問領域に加えて情報科学や工学などの理数系の学問領域を合わせた学際領域として主に大学院教育で行われ、しかも多くの学生を集めています。なぜならば、体制や経済状況を問わず、いずれの国においても健康政策やその基礎となる社会保障政策、労働政策が最重要の課題だからです。
こうした広い学問分野である公衆衛生学に多くの方が関心を持っていただければと思います。